ある春の日、都会に住む10歳の少女、かすみは母親と一緒にホームセンターに出かけた。母は植物を育てるのが大好きで、いつも新しい植物を家に持ち帰っていた。今日はとても大きく育ち、黄色い花がたくさん咲く皇帝ひまわりの苗を見つけて、かすみも興味津々だった。
母:「かすみちゃん、この皇帝ひまわりの苗はどう? 一緒に育ててみたい?」
かすみ:「うん!でも、皇帝ひまわりってどんな花なの?」
母:「皇帝ひまわりは、普通のひまわりよりも大きく育つんだよ。高さは3メートル以上にもなることがあるんだ。」
かすみ:「すごい!でも、どうやって育てるの?」
母:「まず、皇帝ひまわりはたくさんの日光が大好きだから、花壇で一番日当たりの良い場所に植えようね。」
かすみ:「土はどんなのがいいの?」
母:「排水の良い、やや砂質の土が適しているわ。水はけが悪いと根腐れを起こすことがあるから、注意してね。」
かすみ:「じゃあ、どれくらい水をあげたらいいの?」
母:「苗を植えたばかりの時は、毎日たっぷりと水をあげてあげることが大切だよ。それから、大きく育ったら水はちょっと減らして、乾燥気味に育てるといいわ。」
かすみ:「肥料は?」
母:「肥料は、液体のものを定期的に与えると、栄養がしっかりと皇帝ひまわりに届くわ。特に成長期には、追肥を忘れずにね。」
かすみ:「いつ花が咲くの?」
母:「皇帝ひまわりは、10月~11月ごろから花が咲くことが多いの。秋が始まる頃には、立派な黄色い花が咲くわよ。」
かすみは母の言葉に興味津々で聞いていた。ひまわりが咲く姿を想像して、目を輝かせていた。
かすみ:「ねえ、お母さん。皇帝ひまわりって、虫とか鳥とかもよってくるの?」
母:「ええ、そうよ。皇帝ひまわりの花は、蜜をたくさん持っているから、蜜を求める蜂やチョウチョがよってくるわ。また、種子ができると、それを食べる小鳥たちも訪れることがあるのよ。」
かすみ:「わあ、楽しみ!じゃあ、早速植えよう!」
母とかすみは、家に帰ってすぐに皇帝ひまわりの苗を花壇に植えた。日当たりの良い場所に丁寧に植え付け、水をたっぷりと与えた。
毎日、かすみは皇帝ひまわりの様子を見に来て、水や肥料を与えていた。そして、夏の終わり頃、かすみの願いが叶い、皇帝ひまわりは立派な黄色い花を咲かせた。
かすみ:「お母さん、見て!皇帝ひまわりが咲いたよ!」
母:「素晴らしいわね、かすみちゃん。あなたのおかげで、こんなに立派な花が咲いたのよ。」
かすみは喜んで、皇帝ひまわりの周りで蜜を求める蜂やチョウチョを観察していた。そして、時折訪れる小鳥たちが種子をついばむ姿にも目を細めて微笑んだ。
皇帝ひまわりを育てることで、かすみは自然と触れ合う楽しさや、植物を大切に育てる喜びを感じることができた。そして、母との時間も大切にして、親子でまた新しい植物を育てる日々を楽しみにしています。